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藍染について
発酵が支える日本の藍染
◆藍の色素(indigo)を持つ植物
化学染料が使われる以前、人は長い間自然から色を得てきました。
藍の色素を持つ植物も世界各地にあり、その土地や植物に合った方法で染められました。
ヨーロッパのウォード、インド藍のナンバンコマツナギ・タイワンコマツナギ、東南アジアのリュウキュウアイ、中国や日本のタデアイ等です。
◆藍染の原料『蒅(スクモ)』
タデアイの葉を腐葉土のように醗酵させたものを蒅といい、蒅を作る職人を藍師と呼びます。
蒅は藍師のもと、惜しみない手間と一年という長い時間をかけて、丹精込めて作られます。
藍師は全国で7人おり、風来坊では兵庫県の村井さんの蒅を主に、畑で自家栽培したものを足して使っています。
◆醗酵が支える藍染
水に溶けないindigo色素を溶解し、染められる状態にすることを『建てる』といいます。
化学薬品を用いた『化学建て』もありますが、風来坊では藍草のもつ菌の働きによる『醗酵建て』で染めています。
雑木の灰から灰汁をとり、ふすま、清酒、石灰を使って菌が活動できる環境を整えます。
◆藍の色
藍の菌はアルカリ性で活動し、酸素を嫌います。
藍甕は、丁寧に建て、静かに使うことで、深みのある美しい色が染まります。
建てる人によっても色味は変わります。
明るく澄んだ色に染まるよう心がけています。